「空き家が過去最多になった」というニュースを見て、 不安に感じる人もいれば、投資家として『仕込みのチャンス』と 受け取る人もいます。じつはこの2つは、同じ現象の裏表です。
2024年に公表された総務省の統計で、空き家は約900万戸と過去最多、 空き家率も13.8%と過去最高になりました。団塊世代の持ち家が これからさらに空き家化していくとみられ、安く仕入れられる中古戸建ての供給が増える—— これが築古戸建て投資家にとっての追い風です。
この記事は、その「増える空き家」を投資家がどう活かすかを、 ①今なにが起きているか → ②自分は仕入れ側か → ③どの順番で動くか → ④費用と落とし穴という意思決定の順に総まとめしたハブ記事です。 個別の詳しい解説は、それぞれの記事へリンクしていきます。
目次
① いま何が起きているか:空き家900万戸・率13.8%の意味
このセクションの要点は「空き家は過去最多で、これからも増える方向にある」ということです。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、 全国の空き家は約900万戸で過去最多、総住宅数に占める空き家率は 13.8%で過去最高となりました (出典:総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果・2026年8月時点)。 数字だけを並べると次のとおりです。
約900万戸
全国の空き家数(過去最多)
13.8%
空き家率(過去最高)
約385万戸
賃貸・売却用等を除く空き家
注目したいのは3つ目の「約385万戸」です。空き家のうち賃貸中・売却中・ 別荘などを除いた、いわば『使う予定がなく放置されがちな空き家』が、 この規模で存在するということです。ここには、相続したまま持て余された実家や、 持ち主が高齢で管理しきれない戸建てが多く含まれます。
図解:空き家が増える → 投資家の「仕入れ機会」になる流れ
「空き家が増えて困っている人」が多いということは、裏を返せば 手放したい売り手が増えているということでもあります。 背景となる空き家問題そのものは 空き家問題は投資チャンス?社会的意義と収益を両立する考え方 でも解説しています。まずは全体像を、 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門 で押さえておくと、この先が読みやすくなります。
② あなたは「仕入れ側」か「困る側」か
このセクションの要点は「同じ空き家増加でも、立場によって意味が真逆になる」ということです。
空き家900万戸というニュースは、誰の目線で読むかで まったく別の話になります。自分がどちらの立場かを最初に決めておくと、 次にやるべきことがはっきりします。
| 立場 | 空き家増加が意味すること |
|---|---|
| 困る側(放置している所有者) | 管理コストがかさみ、放置が続けば管理不全空家に指定され固定資産税が上がるリスク |
| 仕入れ側(築古投資家) | 安く出てくる戸建てが増え、価格交渉もしやすくなる仕入れの好機 |
この記事の読者である自己資金数百万円の築古戸建て投資家は、 基本的に「仕入れ側」です。供給が増えるほど選択肢が広がり、 現金で買える価格帯の物件にも出会いやすくなります。 年収や勤務先といった属性に左右されずに始められる理由は 少額×現金で始める戸建て投資|属性に左右されない理由 で詳しく解説しています。
一方で、もしあなたが「実家を相続して困っている側」なら、 まずは持ち続けるコストの整理が先です。その場合は 実家の維持費は年間いくら?持ち続けて損する人・貸す人 と 実家の空き家を相続したらどうする?放置のリスクと3つの選択肢 から読むのがおすすめです。「困る側」から「活かす側」に回る道もあります。
③ 増える空き家をどう買う?投資の始め方5ステップ
このセクションの要点は「供給が増えても、買う順番を守らないと失敗する」ということです。
空き家が増えたからといって、手当たり次第に買っていいわけではありません。 築古戸建て投資は、探す → 見極める → 数字で確かめる → 資金を用意する → 貸すという順番で進めるのが基本です。ここが本記事のハブ部分なので、 各ステップの詳しい記事へリンクしていきます。
築古戸建て投資の基本ステップ
探す
見極める
計算する
貸して運用
ステップ1:探す(増える今こそ数を見る)
供給が増える局面では、ポータルサイトと未公開物件、そして空き家バンクの 複数ルートを併用して母数を増やすのが効きます。探し方の基本は ボロ戸建ての探し方|格安中古物件はどこで見つかる?、 自治体経由で相場より安く出会える 空き家バンクの使い方|メリット・デメリットと失敗しない選び方 をあわせて読むと、探せる範囲が一気に広がります。
ステップ2:見極める(安い物件ほど地雷が混じる)
空き家が増えるほど「安いけれど買ってはいけない物件」も増えます。 契約前に必ず確認すべき点は 買ってはいけない築古戸建てチェックリスト|プロが見るポイント に、安さの裏にリスクが潜む代表例は 再建築不可物件は買っても大丈夫?リスクと見極め方 にまとめています。安さの理由を説明できない物件は買わないのが鉄則です。
ステップ3:利回りを計算する(感覚で買わない)
候補が見つかったら、必ず数字で確かめます。計算方法は 築古戸建ての利回り計算方法|表面利回りと実質利回りの違い、 「そもそも何%を狙うべきか」という目安は 戸建て投資の利回りの目安はいくら?区分・アパートとの違い で解説しています。利回りは暗記でなく「買っていい価格を逆算する道具」として使いましょう。
ステップ4・5:資金を用意して、貸す
築古戸建ては銀行の融資が付きにくく、現金購入が基本になります。理由は 築古戸建ての住宅ローン|なぜ組めない?現金購入との違い を参照してください。買った後は、直し方と客付けで収益が決まります。 リフォームの考え方は ボロ戸建てのリフォーム費用の考え方|どこまで直すのが正解か、 入居募集のコツは 築古戸建ての客付け・入居募集のコツ|ボロ屋でも入居は決まる にまとめています。
④ 供給が増えても失敗する人の落とし穴
このセクションの要点は「チャンスが広がる時ほど、基本を飛ばした人から失敗する」ということです。
空き家が増えて選び放題に見えても、失敗する人には共通のパターンがあります。 「安いから」で飛びつく、隠れた欠陥を見落とす、再建築不可を理解せず買う、 長期空室になる立地を選ぶ——いずれも見極めと数字の工程を省いた結果です。
- 安さだけで判断する:安いのには必ず理由がある。理由を説明できないなら見送る
- リフォーム費を甘く見る:隠れた欠陥で総投資額が膨らみ、利回りが崩れる
- 立地を軽視する:需要のない場所は、いくら安くても客付けができない
- 出口を考えない:売れない・貸せない物件は「負動産」になりかねない
具体的な失敗事例と回避策は ボロ戸建て投資の失敗例7選|築古戸建てで後悔しないための回避策 にまとめています。供給が増える時期こそ、「買わない勇気」が 利益を守ります。ボロリッチが失敗事例まで隠さず公開しているのは、 同じ落とし穴を踏む人を減らしたいからです。
※本記事の統計は総務省の公表値(令和5年住宅・土地統計調査)を引用しています。 不動産投資には空室・修繕・災害などのリスクが伴い、利益を保証するものではありません。 個別の物件判断は、必ず現地確認と専門家への相談のうえで行ってください。
次に読むべき記事
増える空き家を「仕入れ機会」に変えるための第一歩として、 まずは次の記事から読み進めてみてください。
- 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門(まずはここから)
- 少額×現金で始める戸建て投資|属性に左右されない理由(いくらから始める?)
- ボロ戸建ての探し方|格安中古物件はどこで見つかる?(どこで探す?)
- 買ってはいけない築古戸建てチェックリスト|プロが見るポイント(買う前の確認)
まとめ
空き家は過去最多の約900万戸・率13.8%(総務省・令和5年)。 団塊世代の持ち家が今後さらに空き家化していく流れは、 困る人にとってはリスクでも、築古投資家にとっては仕入れの追い風です。
大事なのは、増えた物件に飛びつくのではなく、 探す → 見極める → 数字で確かめる → 資金 → 貸すという 順番を守ること。供給が増える今だからこそ、基本に忠実な人ほど安く良い物件を仕込めます。