「築古戸建てが気になるけれど、不動産会社に相談したら『この物件は住宅ローンが出ません』 と言われてしまった」——そんな経験をした方は少なくないはずです。
なぜ、価格が安いはずの築古戸建てほど、銀行の住宅ローンが組みにくいのでしょうか。 この記事では、築古戸建てで融資が出にくい3つの理由と、自分で住むための 「住宅ローン控除」との違い、そしてボロリッチが基本戦略としている 「現金購入」という発想の転換までを、初心者向けに解説します。 格安中古物件投資そのものの基本は 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門 で解説していますので、あわせてご覧ください。
目次
「築古戸建ては住宅ローンが組めない」と言われる理由
結論から言うと、築古戸建てにまったく住宅ローンが出ないわけではありません。 しかし、築年数が古くなるほど、金融機関が融資に慎重になりやすいのは事実です。
この背景には、銀行が融資可否や融資期間を判断するときに重視する 「法定耐用年数」「再建築の可否」「担保評価額」という3つの要素があります。 築古戸建てや空き家は、この3つのいずれか、あるいは複数に該当しやすいために、 住宅ローンが組みにくくなる傾向があります。順番に見ていきましょう。
理由①:法定耐用年数と融資期間の関係
木造住宅の法定耐用年数は22年と定められています。これは建物の減価償却を 計算するための税務上の年数ですが、金融機関が融資期間を決める際の 目安としても使われることが少なくありません。
一般的な傾向として、金融機関は「法定耐用年数から築年数を差し引いた残存年数」を 融資期間の目安にすることが多いとされています。つまり、築15年の木造住宅なら 残り7年程度、法定耐用年数を超えた築22年超の木造住宅では、融資期間がほぼゼロ、 あるいは土地の評価額分しか融資が出ないというケースも珍しくありません。
図解:築年数と融資期間目安のイメージ(木造・法定耐用年数22年の場合)
※融資期間の判断基準は金融機関によって異なり、耐震性能や構造によっては 法定耐用年数を超える融資期間が認められる場合もあります。あくまで一般的な傾向です。
理由②:再建築不可・未接道物件は担保にならない
築古戸建てには、建築基準法上の接道義務を満たしていない「再建築不可物件」が 少なくありません。今建っている建物を取り壊すと、新しい建物を建てられない土地です。
銀行にとって住宅ローンは、万が一返済が滞った場合に物件を売却して資金を回収する 「担保」があってこそ成り立つ商品です。再建築不可物件は、買い手が限られ 売却しにくいことから担保としての価値が低いとみなされ、融資対象から外れやすくなります。 再建築不可物件そのものの仕組みやリスクの見極め方は、 再建築不可物件は買っても大丈夫?リスクと見極め方 で詳しく解説しています。
理由③:積算評価が低く、担保割れを警戒される
金融機関は融資審査の際、土地と建物それぞれの評価額を積み上げた 「積算評価」で担保価値を確認します。築古戸建ては建物の評価額がほぼゼロに 近くなるケースが多く、土地の評価額だけでは希望する借入額に届かないことがあります。
借入希望額が担保評価額を上回る「担保割れ」の状態は、金融機関にとって 回収リスクが高い融資です。そのため、築古戸建てでは希望額のローンが 承認されなかったり、そもそも取り扱い自体を断られたりすることがあります。 なお、格安中古物件は建物評価額が低いからこそ、固定資産税の負担も 軽くなりやすいという側面もあります。税金・経費の目安については 築古戸建て投資の税金・経費まとめ|固定資産税はいくら? で解説しています。
自分で住む場合の「住宅ローン控除」は別の話
ここまでは、融資そのものが「出るか出ないか」という話でした。 一方で、自分がその家に住むことを前提に住宅ローンを組んだ場合、 年末のローン残高に応じて所得税・住民税が控除される「住宅ローン控除」を 使えるかどうかは、また別の基準で判断されます。
中古住宅の住宅ローン控除は、建物が昭和57年(1982年)1月1日以降に 建築された「新耐震基準」の物件であれば対象になります。 それより古い建物でも、耐震基準適合証明書などで耐震性を証明できれば 控除の対象になり得ます(出典: 国税庁 No.1211-3「中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」)。
図解:中古住宅の住宅ローン控除、築年数の判定フロー
※住宅ローン控除の適用可否は、床面積や合計所得金額などその他の要件にも左右されます。 実際の適用にあたっては、必ず税務署や税理士など専門家にご確認ください。 またボロリッチが扱う物件は、あくまで自分で住むための「マイホーム」ではなく、 入居者に貸し出す投資用物件が中心である点にもご留意ください。
ボロリッチ流:ローンが使えないなら現金で始める
ここまで見てきたように、築古戸建ては銀行の住宅ローンという「土俵」に そもそも乗りにくい物件です。しかし、これは投資家にとって必ずしも 悪い話ではありません。
ボロリッチが基本戦略としているのは、そもそも金融機関が融資を出しにくい 物件を、現金で購入するという発想です。現金一括購入であれば、法定耐用年数や 再建築の可否、積算評価といった銀行の融資審査そのものが発生しません。 だからこそ、年収や勤務先といった個人の「属性」を問われずに、 投資家としての一歩を踏み出せるのです。この考え方については、 少額×現金で始める戸建て投資|属性に左右されない理由 でより詳しく解説しています。
図解:銀行融資ルートと現金購入ルートの違い
現金購入だからこそ気をつけたいこと
融資審査がない分、現金購入には「物件価格とリフォーム費用の合計を、 あらかじめまとまった自己資金として用意しておく必要がある」という 別の準備が求められます。ボロリッチでは、築古戸建てなら 200万円〜300万円前後で始める方が多いとされています。
また、価格の安さには相応のリスクも伴います。雨漏りやシロアリ被害などの 「隠れた欠陥」、リフォーム費用の見積もりの甘さなど、現金購入だからこそ 慎重に見極めたいポイントは、 ボロ戸建て投資の失敗例7選|築古戸建てで後悔しないための回避策 や 買ってはいけない築古戸建てチェックリスト|プロが見るポイント で詳しく解説していますので、契約前に必ず確認しておきましょう。 リフォーム費用の考え方は ボロ戸建てのリフォーム費用の考え方|どこまで直すのが正解か で詳しく紹介しています。
※必要な自己資金の目安はボロリッチにおける傾向であり、将来の資金計画や 投資成果を保証するものではありません。物件ごとに個別のシミュレーションが必要です。
まとめ
築古戸建てに住宅ローンが組みにくいのは、法定耐用年数・再建築の可否・ 積算評価という3つの要素が、銀行の融資審査における担保評価を 押し下げてしまうためです。一方、自分で住むための住宅ローン控除は 昭和57年基準という別のルールで判断されます。
ボロリッチは、こうした「融資が出にくい」という制約を逆手に取り、 現金購入という基本戦略で、年収や勤務先といった属性に左右されずに 投資家としての一歩を踏み出せる不動産投資コミュニティです。
少額×現金で始める考え方については 少額×現金で始める戸建て投資|属性に左右されない理由で、 再建築不可物件のリスクと見極め方については 再建築不可物件は買っても大丈夫?リスクと見極め方で、 毎年かかる税金・経費の目安については 築古戸建て投資の税金・経費まとめ|固定資産税はいくら?で、 リフォーム費用の考え方については ボロ戸建てのリフォーム費用の考え方|どこまで直すのが正解かで、 契約前のチェックポイントについては 買ってはいけない築古戸建てチェックリスト|プロが見るポイントで、 格安中古物件投資の基本については 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門 でも詳しく解説していますので、あわせてお読みください。