鍵の束。ボロ戸建てに入居者を迎え入れる客付けのイメージ

「リフォームまで終わったのに、なぜか入居者が決まらない――」。 築古戸建て投資を検討する方から、いちばん多く寄せられる不安がこれです。

実は、客付け(入居者を見つける工程)を"運任せ"にせず、明確な戦略として実践すれば、 築年数の古い物件でも入居は十分に決まります。

この記事では、ボロ戸建てでも入居が決まる客付け・入居募集の考え方を、 実践している具体的な戦略とともに解説します。格安中古物件投資そのものの基本を 先に押さえたい方は、 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門 もあわせてご覧ください。

なぜボロ戸建ては「客付けが不安」と言われるのか

築年数の古い戸建ては、新築アパートやデザイナーズマンションと同じ土俵で戦っても、 まず勝ち目はありません。それにもかかわらず、多くの大家さんは無意識のうちに、 入居者のターゲットを「一般的なファミリー層」や「単身の会社員」といった、 比較的優良とされる層だけに絞ってしまっています。

その結果、リフォームを終えて募集をかけても問い合わせが来ないまま時間だけが過ぎていく――。 家賃収入がゼロのまま固定資産税や保険料といった経費だけが出ていく「長期空室」こそ、 築古戸建て投資家がもっとも避けたい事態です。

こうした長期空室は、リフォーム費用の見積もりを誤った場合にも起こりやすくなります。 入居後の暮らしに直結する設備を優先するリフォームの考え方については、 ボロ戸建てのリフォーム費用の考え方|どこまで直すのが正解か でも解説していますので、あわせてご覧ください。

図解:ペットを飼える賃貸物件は全体のわずか12%

12% 88% ペット飼育可能 ペット飼育不可
出典:大手不動産情報ポータルサイトの調査結果(ボロリッチ代表・荒井良太の書籍で紹介)

対策1:入居者の「窓口」を極限まで広げる

長期空室リスクへの対策として実践しているのが、 「入居者様の"窓口"を、これ以上ないというくらい極限まで広げる」という戦略です。

築年数の古い物件は万人受けするとは言えません。だからこそ、 他の大家さんが敬遠しがちな、特定のニーズを抱えた層にこそ目を向けるべきです。

空室を防ぐ2段構えの客付け戦略

1窓口を広げる 2価格で後押し 長期空室を 未然に防ぐ

具体的には、次の3つの層が代表的なターゲットになります。

ペット多頭飼い・大型犬歓迎
物件探しに苦労している層

生活保護受給者様も歓迎
住宅扶助・代理納付で滞納リスクは低い

初期費用ゼロで間口を広げる
最後まで効く価格の切り札

まず「ペットを飼育したい」という層です。大手不動産情報サイトの調査によると、 ペット飼育が可能な賃貸物件は全体の約12%しかないとされています。 特に大型犬や多頭飼いを希望する方にとって、物件探しは想像以上に困難です。 「ペット多頭飼い、大型犬も歓迎します」という条件を掲げるだけで、 ニッチな市場での優位性を築くことができます。

次に「生活保護を受給されている方」です。偏見からこの層の入居を断る大家さんは 少なくありませんが、生活保護には家賃を補助する「住宅扶助」や、 自治体が家賃を直接振り込む「代理納付」という仕組みがあります。 見方を変えれば、家賃滞納のリスクが極めて低い、安定した入居者と捉えることもできます。 もちろん、受け入れにあたっては独自のオーナー審査を維持することが前提です。

門戸を広く開けておくことで、空室が埋まる可能性は飛躍的に高まります。 同様のターゲットの広げ方は、 ボロ戸建て投資の失敗例7選|築古戸建てで後悔しないための回避策 の「失敗パターン5」でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

対策2:最後の切り札「相場より安い家賃」と「初期費用ゼロ」

もう一つの強力な武器が、「相場より安い家賃」と「初期費用ゼロ」という価格面の切り札です。 この二つは、どんな物件であっても最終的には借り手を見つけ出してくれる、 最後の切り札だと言えます。

例えば、周辺の家賃相場が6万円のエリアで、心理的瑕疵(事故物件)であることを 正直に告知した上で、「この物件なら3万円で住めます」と提案するとどうでしょうか。 実際、こうした物件も家賃を相場より大幅に下げることで、 最終的には必ず借り手が見つかっています。

重要なのは、すべての人に好かれる物件を目指すのではなく、 ターゲットを明確に定めることです。 「物件の過去は気にしない、それよりも経済的なメリットを最優先したい」という層に向けて、 どこよりも魅力的な「価格」という価値を提供する。これが空室を埋めるための基本戦略になります。

エリアごとに狙うべき利回りの目安や、価格交渉がしやすい物件タイプについては、 ボロ戸建ての探し方|格安中古物件はどこで見つかる? で詳しく解説しています。また、家賃を下げた場合の利回りへの影響を数字で確認したい方は、 築古戸建ての利回り計算方法|表面利回りと実質利回りの違い もあわせてご覧ください。

対策3:入居後トラブルを防ぐ「仕組み」と「人」の二段構え審査

入居のハードルを下げれば下げるほど、家賃滞納や騒音問題、 ゴミ出しルール違反といった入居者トラブルに巻き込まれる確率が上がるのではないか、 と心配される方もいるでしょう。

※以下は当社が実践している審査基準の一例であり、入居審査は各オーナー・管理会社の判断のもとで、 公正かつ適法に行う必要があります。

このリスクへの防衛策は二つあります。一つは「家賃保証会社への加入を入居の絶対条件にする」こと。 万が一入居者が家賃を滞納しても、保証会社が立て替えて支払い、 必要な法的手続きまで代行してくれるため、最も大きな経済的リスクである 滞納リスクから解放されます。

もう一つが「独自のオーナー審査」という情報的な防衛策です。 保証会社の審査は収入や信用情報といった画一的なデータが中心ですが、 それだけでは見抜けないその人の"人となり"が確かに存在します。 例えば、問い合わせの電話口での言葉遣いや態度が横柄な方は、 他の条件が良くてもお断りするようにしています。運転免許証の再交付回数(紛失回数)を 一つの判断材料にすることもあります。これはあくまで確率の話であり、 偏見であってはなりませんが、独自の基準で慎重に選別することで、 将来のトラブルの多くは未然に防ぐことができます。

防衛策 具体的な内容
仕組みでカバー家賃保証会社への加入を入居の必須条件にする(滞納リスクをほぼゼロに)
人で見抜く問い合わせ時の言葉遣いや態度など、独自の基準で入居者の"人となり"を見極める

「仕組みでリスクをカバーし、人でリスクを判断する」――この二段構えの防衛策が、 入居のハードルを下げながらも健全な賃貸経営を続けていくための要になります。 より詳しい失敗パターンと回避策は、 ボロ戸建て投資の失敗例7選|築古戸建てで後悔しないための回避策 の「失敗パターン6」でも紹介しています。

客付けは「一人で抱えない」が鉄則

ここまで紹介してきた客付けの戦略は、物件を探す段階や、リフォームの段階とも 密接につながっています。一般的な不動産投資では、物件探しは仲介会社に、 リフォームは工務店に、客付けや管理は管理会社に、というように複数の業者が登場します。

それぞれのプロに任せるメリットはある一方、業者間の連携がうまくいかなかったり、 余計な手数料が発生したり、投資家自身が全体像を把握しきれなかったりする デメリットも少なくありません。

入居者を迎える準備が整った広い和室

ボロリッチは、仕入れからリフォーム、客付け、管理、そして売却までを自社で完結させる "ワンストップサービス"としてこの課題に向き合っています。 客付けにおいては、年間成約件数120件、賃貸管理300世帯以上という実績のもとで、 独自の集客ルートと審査能力を積み重ねてきました (出典:ボロリッチ公式サイト、代表・荒井良太のプロフィール情報)。

物件をどこで仕入れるかという最初の入り口については、 ボロ戸建ての探し方|格安中古物件はどこで見つかる? で、リフォーム費用の考え方については ボロ戸建てのリフォーム費用の考え方|どこまで直すのが正解か で、それぞれ詳しく解説しています。少額の自己資金・現金購入から投資を始めたい方は、 少額×現金で始める戸建て投資|属性に左右されない理由 もあわせてご覧ください。客付けが決まった後、その物件を「売る」か「持ち続ける」かという 出口戦略の考え方は、 築古戸建ての出口戦略|売るか持ち続けるかの判断基準 でまとめています。

まとめ

築古戸建てだからといって、入居者が決まらないわけではありません。 「窓口を広げる」「価格で後押しする」「仕組みと人で審査する」という3つの戦略を 組み合わせることで、空室期間は確実に短くできます。

格安中古物件投資の基本については 空き家問題を「資産」に変える。格安中古物件投資入門で、 契約前に確認すべきポイントについては 買ってはいけない築古戸建てチェックリスト|プロが見るポイント で、売るか持ち続けるかの出口戦略については 築古戸建ての出口戦略|売るか持ち続けるかの判断基準 で、それぞれ詳しく解説していますので、あわせてお読みください。